ついにこの日がやってきたか・・・と観念しながら、今日はニュースを見ていました。
 2005年にくも膜下出血で倒れて以来、リハビリしていた料理研究家の小林カツ代さんが亡くなられました。
 76才でした。

 カツ代さんの本を買ったきっかけは、ひとえに「私に家事の才能がなかった」からです。
 中学時代の家庭科は、ずっと最低評価の「C」。
 ミシンをかけたらマチ針ごと縫ってしまうし、お菓子を作れば、なぜか絞り出し袋から鶏肉が出てくる始末。
 母が見限るほど思いがけない展開ばかりで、私が台所に立てば、さながらマジックショーのようでした。

 「これではいけない」と思い立ったのは20代の頃。
 自炊しようにも、ちまたにあるのは敷居の高い料理本ばかり。
 見たこともない外国の調味料だったり、主婦(ベテラン)向けの本がほとんどでした。
 写真付きのハウツー本もありましたが、教科書みたいで読む気になれません。
 90年代にはやった「セイシュンの食卓」のような、手抜きのジャンクフードじゃなくて、 「もっと自然に、体にいい料理からはじめたい」と思っていました。

バラエティ番組「セイシュンの食卓」(1992~1994)より


 今なら初心者向けの読みやすい本もありますが、求めていたのは家庭料理。
 おしゃれにかわいく作る「彼氏ごはん」ではなく、和食です。
 帰ってきたときに一息つけるような、外食ではだせない「おうちごはん」
 そんな要望にもっともこたえてくれたのが、小林カツ代さんでした。
 テレビ番組「料理の鉄人」(1994年)でカツ代さんが勝利した時は、家庭料理がひとつのジャンルとして認められたようで嬉しかったです。

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 わかりやすい文章と作り方、そして親しみやすい“お母さん”の笑顔。
 できあがりの写真がなくても、作ろうと思える料理本。
 「強火でそのままワーッと煮込めばいいのよ」
 私の肉じゃがは、今もその作り方です。
 魚のムニエルも、ぶりの照り焼きも、目玉焼きにいたるまでカツ代流。
 はじめて作ったトンカツは、少量の油で揚げたにもかかわらず、「専門店みたい」とほめられました。
 小麦粉を茶こしで均一にまぶす裏技も、この時に知りました。
 どれもが初めてでも失敗しない、一般的な食材で作る、普遍的な家庭料理です。

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 最近ハマっているのは、お弁当作り。
 追悼の意味をこめて、カツ代さんの弁当本を買いました。
 同じことを続けられない私が、なぜかこれだけは毎日くりかえしています。
 相棒も不思議そうに首をかしげていますが、たぶん気負いなく取り組めるからだと思います。

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