宮武館

「宮武館」とかいて「キューブハウス」と読みます。 記事内容は、サイコロのように不規則で多面体です。

読みました

80年代の明星ヤンソン


 久しぶりに宝箱(ダンボール箱)を開いてみたら、こんなものが! 
 80年代の月刊明星付録、ヤンソン(YOUNG SONG)が出てきました。
 実家に置いてると捨てられてしまうから、回収したんだっけ。

ヤンソン 1982年11月号より。

152adbdf.jpg

 1982年11月号内容)
 3ヶ月連続スペシャル「ユーミン・ディスコグラフィーⅡ」、解散を控えたオフコースのアルバム「NEXT」特集、新曲特集より「野ばらのエ チュード」松田聖子、「横恋慕」中島みゆき、「YaYa(あの時代を忘れない)SAS、「恋人も濡れる街角」中村雅俊、「夏をあきらめて」研ナオコな ど。

 この表紙、よく覚えています。
 白地に黒いセーターと黄色いレモン、斜め上から写したポーズがスッキリしていて、「ザ・テレビジョンか?」 いい表紙だなと思いました。
 ただ、物思いにふける松田聖子の表情が、子ども心にわざとらしかったです(笑)。
 先日の「しくじり先生」スペシャルの、さとう玉緒による持論「うなぎとブリッ子は似ている説を彷彿させますね。

 「市場に出回るうなぎの99%は養殖で、天然ウナギが占める割合はわずか1%。つまり、あなたの周りにいるブリッ子9割9分が養殖です。彼女たちは計算してブリッ子をやっています!」
 


ヤンソン 1982年12月号より。
125f8a6f.jpg

 この年に、レコード売り上げ100万枚を突破したヒット曲は、あみん「待つわ」だけでした。(※ちなみに同年ヒットの松田聖子「赤いスイートピー」で50万枚)
 急きょデビューアルバムの発売予定が、諸事情により、翌年4月25日へ延期となります。
 ヤンソン1982年12月号のアルバム特集で掲載された、「サルビアの花」「未知標」「海の見える私の町」がカットされ、かわりに「つくり笑い」「ペパーミントの香り」「あなたへ・・・」が追加されました。 (ちなみにカットされた3曲は、2007年発売の2枚組作品集「P.S. あなたへ…」に収録されています)
 
 1982年12月号内容)
 あみん1st アルバム「P.S.あなたへ・・・」、3ヶ月連続スペシャル「ユーミン・ディスコグラフィーⅢ」、野村義男の超初級ギター教室「オレが弾かせる!」、新曲特集より「サーカス」谷山浩子な ど。
 
 「ユーミン・ディスコグラフィーⅢ」では、松任谷由実のアルバム作りを紹介しています。
 「曲を作るときにはね、データを徹底的に調べたり、ロケハンまでするの。たとえば『よそゆき顔で』に出てくる “ 白いセリカ ” は、あのころの学生にいちばん人気があったクルマだし、観音崎に言って風景をチェックしたりネ」
 見えない部分でのこだわりが、あったんですね。

a24ecfd7.jpg

 
 砂埃りの舞うこんな日だから 観音崎の歩道橋に立つ
 ドアのへこんだ白いセリカが 下をくぐってゆかないか
 「よそゆき顔で」(1980/「時のないホテル」より)

 今ではプロのギタリストのヨッちゃん野村義男)も、当時はバンド・デビュー前のギター小僧。
 カラオケ文化で育つと、楽器で演奏することに興味を持たなくなるのかもしれませんが、「超初級ギター教室」などの特集から、音楽に目覚める男子が少なからずいました。
 あの斉藤和義も、「ヤンソンでコードをおぼえた」とコメントしています。(1993年10月号より)
2d30f479.jpg

ヤンソン 1983年7月号より。
b2e6004f.jpg

 これが最初で最後の、薬師丸ひろ子によるヤンソン表紙です。
 初夏の風を思わせる、エメラルドグリーンが効いてますね。
 学業優先のため、映画「セーラー服と機関銃」(1981年)以来休業していた薬師丸ひろ子が、2年ぶりに女優と歌手活動を開始。
 映画「探偵物語」の主題歌(5/25発売)は、発売1カ月前に予約だけで50万枚を達成し、他の歌手たちがリリース日をズラすほど、大ヒットは確実でした。(その中で真っ向から対決したのは、デビュー2年目の中森明菜「トワイライト~夕暮れ便り~《6/1発売》でした)

20年ぶりにピアノで弾いたら、アルファ波が出まくり!
15876f6f.jpg

 1983年7月号の目玉は、なんといっても松田聖子のアルバム「ユートピア」特集です。(ファンにはたまらない!)
 「ユートピア」は、松任谷由実「REINCARNATION」をおさえて、この年の日本レコード大賞ベストアルバム賞を受賞しました。
 ヤンソンでは、LPレコードのA面「Blue~Island side」とB面「SouthWind side」から、「ふたつの夏を歌いあげる聖子」と紹介されています。
 涼しげな夏のイメージでまとめていますが、A面はセイシェルやマイアミといった外国のリゾート地、B面は女の子の恋心や清涼感のあるスペースファンタジーを歌っています。
 
 相変わらず聖子の声ってすばらしい!「ユートピア」特集記事より)
 なんたって聖子はあの声、あの個性なんですね。そんなこと、いまさらっぽいけど、やっぱりつくづく感じてしまう1枚でした。
 A面はとくにスバラシイのです。いかにも夏っぽい、派手でやたらニギヤカ。そんな曲やアレンジはひとつもなし。一見シブイようですが、むしろそこがネライなんでしょう。
 きれいで心地よいメロディとリズム。ギラギラ輝く太陽じゃなく、夏の夕陽、潮騒関係のタッチ。だからこそ、聖子のあのちょっとハスキーな歌声が光り、聴き手のハートにグイグイとびこんで来るんですね。

 本当にそのとおりで、今でも聖子を弾きたくなるのは、とにかく曲とボーカルがよかったからです。
 

続きを読む

ごぼうが主食の旦那さま


 小林カツ代さんの「まるごとマガジン vol.1 」(2007年/セブン&アイ出版)より。
 「これなら私にもできそう」と、ごぼうめしを炊いてみました。

小林カツ代まるごとマガジン vol.1 (saita mook)

 米1合に、さきがけごぼうと酒・醤油だけ。
 香りがよくて、けっこうイケます。 
 すると相棒が、こんなスレッドを見つけてきました。
 三度の飯よりごぼうが好きな旦那の話。
 「夫と結婚する前、お願いだからお弁当には毎日ごぼうサンドイッチを入れて欲しいと言われた」こちらをクリック

 とにかくごぼうさえあれば、ゴキゲンな夫。
 その妻が、今まで生きてきて凄く衝撃的だった体験といえば、
 
110: 名無しさん@おーぷん 2015/01/15(木)22:31
 本当に些細な事なんだけど、現在進行形で衝撃なこと。

 夫と結婚する前、お願いだからお弁当には毎日ごぼうサンドイッチを入れて欲しいと言われた。
 ごぼうが大好きだから毎日食べたいんだって。
 毎日ってwって思ってOKして、さて何日で「たまには違うサンドイッチにしてくれ」って言われるかな?って思いながら毎日作り続けていたら、いつの間にか結婚して15年が経っていた。
 15年間、週5日、毎日ごぼうサンドイッチを食べ続けて飽きない夫に、どれだけごぼう好きなんだよ、とまず衝撃。 

 これは、あらためて気づいたら衝撃的だった!ってことですね。
 なにゆえに、それほどまでにごぼう好きなのですか?

 この前ふと、我が家のごぼう消費量を調べてみた。
 月に50本は消費してた…。
 ほとんど夫のせいなんだけど、(週に二回はごぼう料理をリクエストされる)本当にどんだけ好きなんだw
 我が家のごぼうエンゲル係数にまた衝撃。 

 オバケのQ太郎の小池さん(ラーメン)みたいな旦那ですね(笑)。
 ごぼうさえ出しておけばいいのだから、ラクといえばラク。
 そのうえ、からかい甲斐がある!?
 
 この前、夫の誕生日があった。
 びっくりさせようと思って、朝は何も気付いていない素振りで一緒に出勤して、こっそり有給をとって以下のメニューを一日掛けて作った。

 ・ごぼうの炊き込みご飯
 ・ごぼうサンドイッチ
 ・きんぴらごぼう
 ・ごぼうサラダ
 ・ごぼうの唐揚げ
(プレーン・カレー味)
 ・たたきごぼう
 ・ごぼうクラッカー
(アボカドごぼうペーストディップ)
 ・ごぼう汁

 極めつけの誕生日ケーキはごぼうとくるみのタルト
 私の予想では「ごぼうしかないやんw」って突っ込んでくれると思ってた。
 でも、家に帰ってきて食卓を見た夫は泣きだした。
 「嬉しい、嬉しい」って、パーティに呼んでた子どもたちも、うちの両親も義両親もいるのに
 「○○と結婚できてよかった。おいしい。おいしい。幸せだ」って恥ずかしいこと言いながら泣き止まずにごぼうを食べる夫を見て、こっちまで泣きそうになったわ。

 松田聖子の「天国のキッス」(1983年)みたいな展開ですね。

 ♪ ちょっとからかうはずだったのに~ 抱きしめられて気が遠くなる~

 サプライズなジョークのつもりが、そこまでストレートに感激されたら、そんなつもりがなくてもウルッときますよ。
 ユーモア精神で作ったごぼうフルコースが、旦那の心の琴線に触れてしまったとは、よほど好物なんでしょうね。 
 こんなことで喜んでくれるなら、安上がり 作り甲斐があるというもの。

 (ごぼうは)作り置きも出来るし慣れたら簡単ですよ。
 最初は面倒だったけど、うちの夫が感情表現が激しいから今まで続いてるのかも。
 愛して結婚した相手が「おいしい!おいしい!」って食べてくれるのを見たら何でもできちゃうよねー 。

 もし愛して結婚した相手から、三度の飯より卍固めが好きだと言われたら、さすがにそれはちょっと・・・。


醤油と薔薇の美談


 小倉千加子「結婚の条件」から触発された相棒が、関連図書を山積みのように持ってくる。
 これぞ、小倉千加子責め。
 読みたい本が他にもあるのに!

結婚の条件

 タイトルのつけかたが秀逸なのは、「醤油と薔薇の日々」(2013年/いそっぷ社)。
 「なんのこっちゃ?」と印象づけて、読後感は「なるほど!」だった。
  
醤油と薔薇の日々


 このタイトルは、安田成美のキッコーマンのCM(1992年)から引用されている。 醤油のCMで、「薔薇」という漢字が書けることを子どものように自慢する妻。 オンエア当時は、姫野カオルコだけでなく、私の周囲にも「あのCM、大キライ!」とブーイングする友達が多かった。 未婚女性ならいざ知らず、結婚してなお男に媚びつづける姿に、「そんな面倒くさいこと、やってられるか!」とザワつく女たちがいたということだ。

 それは、喜んで家事をやる(醤油)というサービスに加えて、性愛の領域において受身でありつつその気にさせてあげる(薔薇)という、さらに面倒臭いサービスなのである。
「醤油と薔薇の日々」より

 たしかにコレはザワつく。
 「散歩しよう」だけなら私も言えるけど、甘えた声でわざわざ「手をつないで」と盛るあたりが。
 

 私は、百田尚樹の新刊「殉愛」の宣伝にザワついた。
 末期ガンのやしきたかじんを看病した、妻の献身ぶりがやたらにクローズアップされていて辟易する。
 聴力を失いながら、殴られながら、そこまで寄り添ったから感動するのか?
 犠牲の精神が美談として大きく取り上げられると、それが見本のように認識されてしまう。
 「名誉の戦死」と賛美して、感動を誘った戦争映画「爆弾三勇士」のように。

 そう危惧していたら、たかじんの妻の経歴が暴かれて、瞬く間にネット上で拡散された。
 「ブランド好きでイタリア人と結婚していた女性が、天使であるはずがない」と。
 ブランド好きでイタリア人と結婚していても、看取ることはできるだろうけど、盛りすぎた宣伝の反動で視聴者の嫌悪感につながった可能性はある。

殉愛

続きを読む

愛あるごはん


2010年コーラス2月号(現cocohana)、別冊付録「愛あるごはん」
漫画家による、レシピつきお料理まんがBOOKです。

b6c653ac.jpg

 看板漫画家の一条ゆかりは、ベリッシモ・フランチェスコ氏との対談のみで、漫画はありません。
 どうってことのないストーリーなのに印象深いのが、宮脇晶子の「サバの味噌煮の夜」(14P)。
 
 駅の雑踏で再会したのは別れた夫。
 「オフクロの三回忌で、これから里帰りなんだ」
 挨拶もそこそこに、元夫は通り過ぎていく。
 夕食のメニューを考えながら、カオルは故人に思いを馳せる。

 お姑さんは、悪い人ではなかった。
 けれどカオルにとって、結婚してよかったことは、
 “ 結婚すれば幸せになれるかも ” なんて幻想に、惑わされずに済むこと
だった。

 仕事にやりがいを持つカオルに、「女が頑張っても仕方ないだろ」という夫。
 “ 男のロマンを力説する男は、女の夢を認めないのだ ”
 そんなときに、お姑さんからいわれた言葉。

「カオルさん、お仕事やめたら?
 大変なんですって?
 子供が出来ないのも、お仕事のせいじゃないの?」

27768b34.jpg
 
 それからまもなく、離婚したカオル。
 夕食は、お姑さんが教えてくれたサバの味噌煮にきまり。
 ところがネットでレシピ検索すると、下ゆでの工程が省かれている。
 「このひと手間で、おいしさがちがうの」
 故人の言葉を思い出し、カオルはサバを下ゆでする。

「おいしーっ!
 初めて作ったのに、わたしってば天才―――っ」
 なんてね。
 この気楽さを覚えると、おひとり様暮らしはやめられないのよねェ。

1cf657dc.jpg

 悪い人たちではないけれど、仕事をやめるほどの愛もなく、男を教育する根性もない。
 わずらわしい思いをするくらいなら、ひとりのほうが気楽。
 そんなカオルのひとときがわかるような気がして、今もお気に入りの作品です。

続きを読む

カツ代レシピよ永遠に

 ついにこの日がやってきたか・・・と観念しながら、今日はニュースを見ていました。
 2005年にくも膜下出血で倒れて以来、リハビリしていた料理研究家の小林カツ代さんが亡くなられました。
 76才でした。

 カツ代さんの本を買ったきっかけは、ひとえに「私に家事の才能がなかった」からです。
 中学時代の家庭科は、ずっと最低評価の「C」。
 ミシンをかけたらマチ針ごと縫ってしまうし、お菓子を作れば、なぜか絞り出し袋から鶏肉が出てくる始末。
 母が見限るほど思いがけない展開ばかりで、私が台所に立てば、さながらマジックショーのようでした。

 「これではいけない」と思い立ったのは20代の頃。
 自炊しようにも、ちまたにあるのは敷居の高い料理本ばかり。
 見たこともない外国の調味料だったり、主婦(ベテラン)向けの本がほとんどでした。
 写真付きのハウツー本もありましたが、教科書みたいで読む気になれません。
 90年代にはやった「セイシュンの食卓」のような、手抜きのジャンクフードじゃなくて、 「もっと自然に、体にいい料理からはじめたい」と思っていました。

バラエティ番組「セイシュンの食卓」(1992~1994)より


 今なら初心者向けの読みやすい本もありますが、求めていたのは家庭料理。
 おしゃれにかわいく作る「彼氏ごはん」ではなく、和食です。
 帰ってきたときに一息つけるような、外食ではだせない「おうちごはん」
 そんな要望にもっともこたえてくれたのが、小林カツ代さんでした。
 テレビ番組「料理の鉄人」(1994年)でカツ代さんが勝利した時は、家庭料理がひとつのジャンルとして認められたようで嬉しかったです。

140201_0011~01.JPG















 わかりやすい文章と作り方、そして親しみやすい“お母さん”の笑顔。
 できあがりの写真がなくても、作ろうと思える料理本。
 「強火でそのままワーッと煮込めばいいのよ」
 私の肉じゃがは、今もその作り方です。
 魚のムニエルも、ぶりの照り焼きも、目玉焼きにいたるまでカツ代流。
 はじめて作ったトンカツは、少量の油で揚げたにもかかわらず、「専門店みたい」とほめられました。
 小麦粉を茶こしで均一にまぶす裏技も、この時に知りました。
 どれもが初めてでも失敗しない、一般的な食材で作る、普遍的な家庭料理です。

【送料無料】 小林カツ代のおべんとう決まった! / 小林カツ代 【単行本】

 最近ハマっているのは、お弁当作り。
 追悼の意味をこめて、カツ代さんの弁当本を買いました。
 同じことを続けられない私が、なぜかこれだけは毎日くりかえしています。
 相棒も不思議そうに首をかしげていますが、たぶん気負いなく取り組めるからだと思います。

続きを読む
記事検索
宮武夕子

poncube

  • ライブドアブログ