宮武館

「宮武館」とかいて「キューブハウス」と読みます。 記事内容は、サイコロのように不規則で多面体です。

2013年09月

異次元ワープ

今回は、ホラー雑誌「あなたが体験した怖い話」で活躍中の、ひわときこさんを御紹介。

あなたが体験した怖い話 2013年 11月号 [雑誌] [雑誌] / ぶんか社 (刊)

ひわときこさんは、すっきりとした丁寧な絵で、クセのない漫画を描く人です。
(ホラー漫画はクセが強すぎたり、デッサンを無視した絵が目立つ中で、この方の作品はすごく読みやすいです)
はじめて読んだのは、たしか2005年の「ほんとにあった怖い話」(現『HONKOWA』)。
飲み会の後で終電を逃した男性を、善意で泊めたら、それ以来不可解な現象が・・・。
そんなルームメイトとの体験談を、不気味に、そしてユーモラスに描いていました。

ほんとにあった怖い話コミックス 怪異標本箱 [コミック] / ひわ ときこ (著); 朝日新聞出版 (刊)

その男性に布団を敷いたのも、食事を作ったのも、すべてひわさん。
それなのにお礼もいわず、超美人のルームメイトに気味の悪いラブレターを送りつけてきます。

「どうして僕を泊めたの? 
 あのまま君を押し倒すこともできたんだよ?
 そんな無防備な君が、いとしい恋しい
etc・・・

やかましいわむかっ(怒り) と、どつきたくなるほどのズレようですね。(^^;
そのズレた執着心が生霊となり、ひわさんの飼い猫が室内で騒ぎはじめます。
ラブレターだけでも気持ち悪いのに、執着心まで部屋に残されて、今までどおりつきあえるはずがない!
・・・そんな生霊特集の読みきり漫画でしたが、ひわさんのルームメイト(超美人)がすごくユニークな人で、何度も読み返したくなるほどうまく描けてた作品でした。

あなたが体験した怖い話 2013年 11月号 [雑誌] [雑誌] / ぶんか社 (刊)

話を戻して、今月の「あなたが体験した怖い話」(11月号)の巻頭カラーを飾るのは、ひわときこさん。
「音羽マリアの異次元透視」で、実在する霊能者のお話を漫画化しています。
作中で霊能者のマリアさんはこういいます。

ひわさんは『ある意味霊能者』だから」


「なんですか? 『ある意味霊能者』って・・・・・・・・・」

ひわさんは私の体験したことを、私の気持ちになって描くでしょう?
 それは本当に、その場所や空間を覗きにいってるんです」


「え・・・・・・?」

「やってることは私(霊能者)と同じ。
 作品がまったくのフィクションでも、いろんな人の気持ちになる。
 それだけで魂は別の空間に移動する」


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マリアさんとの違いは、覗きにいった先で終了できるかどうか。
ひわさんの魂は別の空間に移動したまま、次から次へと他の空間に移っていくので、具合が悪くなりすい。
そこで、特殊なお守りを渡すマリアさん。

マリアさんも、“ 欲の権化 ”のような人と話す時は、具合が悪くなります。
一般的に「相手の気持ちになるのはよいこと」とされていますが、そうすることで、よからぬ空間にワープしてしまうなら、ヘタな同情は禁物ですね。


ペットの声が聞こえたら

 ホラー雑誌「HONKOWA」(朝日新聞出版)9月号より新連載の、
「ペットの声が聞こえたら」オノユウリ/原案・塩田妙玄)。
HONKOWA (ホンコワ) 2013年 09月号 [雑誌] [雑誌] / 朝日新聞出版 (刊)

 こんなにかわいい絵でちゃんと感動させてくれるとは、「HONKOWA」もいい漫画家を引っ張ってきましたね。
 どんなに原案がよくても、アレンジしだいでダメになります。
 少なくとも私は、この手の絵柄で感動することはまずありません。
 カワイイ漫画は、カワイイだけのアイドルみたいに、描き手も“ 読み捨てできる内容 ”を得意とするものですが、オノユウリさんは 原案を損ねることなく作品化しています。

 「ペットの声が聞こえたら」は、動物の心をキャッチする僧侶のお話。
 第一話に登場するのは、ホームレスのテントに投げ捨てられた、子猫の“ちび ”。
 余裕のない暮らしの中で、なんとか子猫を育ててきた Kさん
 病気になったちびを看取る Kさんは、納得できません。

 「なんでこの子だけ、こんなひどい姿になっちまったんだろうなぁ・・・。
 いろんな病気があるだろうに、なんでちびだけ・・・」

 その時、突然僧侶の口から出た言葉。

「おとうさん・・・
 おとうさんがしんぱいだから
 ひとりぼっちのおとうさんのこと
 みんなにしってほしくて
 こんなすがたになった!」


 僧侶を介して届けられたメッセージ。
 そういえば、ちびが病気になったから、通院生活がはじまって、お医者さんや僧侶と知り合うことになった・・・。
 Kさんは、何度も「ありがとう」をくりかえします。


「公園でひとり衰えていくだけの人生だったかもしれないのに、ちびが俺を心配してくれて・・・」


 そして、目も開けられないほど苦しむちびを見て、延命治療をやめてしまいました。
その最期を弔った僧侶が、Kさんのテントを訪ねると・・・。


「何日も涙が止まらないんだよ・・・。
 おかしいだろ・・・。
 親が死んでも、兄弟が死んでも、涙なんか出なかったのに。
 なんで・・・なんで・・・猫一匹死んだのがこんなに哀しいんだろうなぁ」


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“ ちびはこの老ホームレスさんに愛を教わり、また愛を教えた。
 家族にも社会にもできなかったことを、一匹の猫がやってのけたのです ”



 親だろうがペットだろうが、ひとつの命が消えてしまうのは同じ重さ。
 哀しいことにはかわりありません。
 けれど飼い主が嘆きつづけると、ペットは行き場を失ってしまいます。
 そんなエピソードが、今月号(11月号)の「HONKOWA」で紹介されていました。

HONKOWA (ホンコワ) 2013年 11月号 [雑誌] [雑誌] / 朝日新聞出版 (刊)

 今月号の「ペットの声が聞こえたら」は、原案者・塩田妙玄さんのペットロス体験。
 こちらも(哀しいけれど)いいお話でした。
 興味のある方はお近くの書店へどうぞ!(^^)




広島へいってきました(後編)

広島といえば、お好み焼。
昼食に相棒が選んだのは、「みっちゃん総本店」。
出張の時に広島駅で食べた「みっちゃん」の味に感動したのだそうです。
本店の鉄板でくりひろげられるテコさばき。
しばし見とれてしまいました。
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戦後の復興に必要なのは、おやつ感覚のお好み焼じゃない。
お腹を満たす食べ物でなければ!・・・と考案されたのが、今のそば入りスタイル。
「みっちゃん」のお好み焼は、ソースがついてなくても、そばがおいしい!
キャベツが甘い! ヘンにしょっぱくない、まろやかなソース! なにもかもがデリシャス!
「ネギはやっぱり青ネギよね~」とつくづく感じたお好み焼でした。
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広島の東急ハンズで買ったもの。
北千住や新宿のハンズにもあるんだけど、性懲りもなく、小林カツ代さんプロデュースの食器洗いスポンジを。
在庫がなくなったら販売終了しそうで、今のうちに買っておきたいの。

相棒は広島弁満載のトランプカードを。
これで覚えるんじゃが。
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それと、これはおすすめ。
除湿と脱臭効果てきめんの「きになるニオイトリ」(980円)。
除湿=カビがわかないので、浴室にぶらさげておけば強力です。
足のニオイが気になる人は、ビジネスシューズやブーツにも。
信じられないほどニオイがしません。



「うさぎの島」と呼ばれる大久野島で。
後ろに見えるのは国民休暇村のホテル。
左奥には旧毒ガス貯蔵庫が。

寄ってくるうさぎはエサめあて。
たかの友梨ビューティクリニックのCMで、高知東生(のぼる)がいってたセリフ、
「男前だが金はない」のかわりに、「うさぎは好きだがエサはない」と叫び続けた。
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穴の中で眠るうさタン。
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広島へいってきました(前編)

 東京にいると、福島の原発問題や東北の震災もそうですが、今も負の爪痕があることにピンときません。
 それでも先月のオリンピックのプレゼンテーションで、「原発は一部の港の問題」と発言した安倍首相に引っかかるものはあります。
 けれどそこから考えるための材料が、私にはありません。

 東北には親戚縁者や知り合いがまったくおらず、訪れても完全なビジターです。
 広島ならかろうじて私の両親の出身地なので、自分と結びつけやすいと思い、出かけることにしました。


 平和記念公園にて。
 雲ひとつない晴天。
 前日まで猛威をふるっていた台風が、残暑をすべて持ち去ってくれました。
 広島に原爆が投下されたのも、こんなふうに雲ひとつない夏の日。

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 原爆資料館は3度目でしたが、30年前とまったくちがった印象を受けました。
 以前はとにかく被害の悲惨さを訴える内容だったように思います。
 今は、大戦に至るまでの日本・広島の歴史から、諸国情勢、原子爆弾の製造に関わった科学者の意図など、多角的にとらえた解説文。

 同じ事実でも、その人(国)の立ち位置によってとらえ方は180度変わりますから、偏らないように配慮されてるのかもしれません。
 よくいえば、国際的な内容になっていました。
 誰が読んでもカドが立たないよう、まるでアスファルト道路みたいに整備されてしまった原爆資料館。
 それでも心に残る写真がありました。

 「70年は草木が生えない」といわれていた被爆直後の広島で、しっかりと大地に根をおろし、咲き誇ろうとするカンナの花。
 傷つき、なにもかも失った大地に咲く花は健気です。
 これらの草木が復興のシンボルとなり、人々を勇気づけたといいます。

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 今も広島市は、水と緑の豊かな街。
 水と緑はアースとなって、人々のストレスを吸い取ってくれます。
 もしかすると復興の原動力は、こうした自然環境と、ものいわぬ存在から気づきを得る“ 豊かな人間性 ”からくるのかもしれません。
 
 だからといって、原爆(原発)問題をなかったことにしていいわけではありません。
 原爆資料館では、世界で核実験がおこなわれるたび、くりかえし抗議する広島市長の声明文も展示されていました。
 県内にある、大久野島の毒ガス資料館に訪れた修学旅行生は、熱心に館内のパネルやビデオに見入っていました。
 広島の小中学生は、真摯に過去と向き合う機会を与えられています。

 広島県竹原市(大久野島)の毒ガス資料館
 戦時中にこの島で、極秘製造されていた化学兵器(毒ガス)。
 軍部から固く口止めされていた製造従事者は、毒ガスの被害を受けながら、戦後も適切な治療を受けることができず、亡くなる人が後を絶ちませんでした。
 また、イラン・イラク戦争1980年~1988年)では毒ガスが使われ、イランのサルダッシュト市では、「セカンド・ヒロシマ(第二のヒロシマ)」と呼ばれるほど、一般市民が非人道的な被害を受けています。

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不可抗力と正当防衛

宿泊先の男湯で、先客がいたという相棒。
どうみてもそこにいたのはおばちゃん

「もしかして・・・私、間違えました?」
「はい」

間違いだとわかっても、おばちゃんはゆうゆうと体を洗い始める。
出湯してもらいたい相棒は、湯船に浸かったまま。
それなのに、「気持ちいいわね~」と社交辞令で場をもたせようとするおばちゃん

結局そのおばちゃんは、ほかの男性客が入ってくると、あわてて身支度をして去っていったそうな。
僕はなんやったんやと悩む相棒。
「男湯」を認識しても、相棒を「男」として認識しなかった?

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話はかわって。

新宿行きの夜行バス・エトワール瀬戸号は、福山駅で満員になった。
若い女性が自分の席に着こうとしても、前の席のおじさんがシートを倒しすぎて、座るスペースもない。

「すみませんけど、もう少しイスを戻してもらえませんか?むかっ(怒り)

きっぱりいわれたおじさんは、あわててシートを戻し、それ以降倒しすぎることはなかった。

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相棒の前に座った別の若い女性は、新市大橋からの乗車。
「イスを倒してもいいですか?」とあらかじめ声をかけていた。
快く「はい」と答える相棒。
その女性、夜行バスは手慣れたもので、コンパクトにまとめた荷物を足元に置き、三角すわりをはじめた。

その後で、福山駅から乗車したおばさん
黙ってシートを倒そうとするけど、後ろの女性が三角すわりでブロック。
無断で座席をいじれない。
何度もレバーを引くおばさんは、動かないシートにあきらめていた。

夜が明け、終点に近づくと、その女性は席についたまま化粧をはじめた。
移動中にもかかわらず、器用にマスカラをつけていく。
公衆の面前でメイクするのはマナー違反だけど、不快感を持つくらいで他者に実害はない。
おばさんみたいに声もかけないでシートを倒されたら、後部座席の人は移動中ずっと窮屈な思いをすることになる。

別人の顔になって新宿駅で下車したその女性は天晴れ。
「無断シート倒し防御術」を披露してくれた。


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