マンガ家・西原理恵子さんのツイッターから知った、ウルグアイ国のホセ・ムヒカ大統領の演説を紹介します。
 「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれるホセ・ムヒカのスピーチは、環境についての国際的な会議で、大きな拍手をおくられたにもかかわらず、日本では報道されませんでした。
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 リオ会議(2012年)にて、
「これは環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです」

 
 このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。 ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!」

 ドラッグストアにおいても、同様の矛盾があります。
 ひと塗りで回復する肌荒れに、毎日塗って効果がでる商品のほうが売れて、しかも高価です。
 
 「そんなに長く持つ電球は、マーケットに良くないので作ってはいけないのです。 人がもっと働くため、もっと売るために『使い捨ての社会』を続けなければならないのです」

 みんな、そのことに気づいてます。
 だけど、それに異論を唱えたら、今成り立っている歯車が根本的に解体されることになる。
 その歯車で成立している人たちにとって、解体は死活問題になります。



 10年ほど前に、うちでは洗濯機の購入をめぐって、こんなことがありました。
 一人暮らしの頃から目をつけていた、(簡単な汚れなら)洗剤なしで洗える洗濯機」
 ところが、洗剤メーカーから抗議を受けて販売中止になった・・・と相棒に話したところ、「なんでや!」といつになく反発していました。
 画期的な発明 が、なぜ葬られてしまうのか?

 どんなにいいアイデアでも、今までのやり方で生きてきた人たちには応じられないことがあります。
 だけど、それを相棒に説明するのがつらかった。
 私も同じように、「なんでや!」という疑問を常に持っていたからです。
 
 しかし、たとえつらくても、それも含めて説明しなければいけなかったと、あの時の自分に後悔しています。
 ゆくゆくわかることでも、知ってる人が黙ってしまえば、次の世代を生きる人たちも同じような反応をしてしまうでしょう。
 
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この道の向こうは、中川

 それから数年後、葛飾区浴場組合連合会が企画する、銭湯ウォーク に参加した時のことです。
 案内人によると、JR亀有駅 は本来、旧水戸街道沿いの新宿(にいじゅく)に設置される予定でした。
 けれど、中川を渡る線路ができれば、有料橋の利用者が減ることに。
 それを危惧した地元の人たちが、猛反対したそうです。
 当時の亀有は田園風景が広がる地域で、明治時代に栄えていたのは新宿方面でした。

 ところが半世紀も経たないうちに、亀有駅は日立製作所の工員たちでにぎわうようになり、人々の往来であふれていた新宿は、宿場町の面影すらほとんど残っていません。
 それがよかったかどうかはそれぞれが決めることですが、今は中川に有料橋はありません。
 公共設備としての、無料の橋があるだけです。

 明治時代の人たちに、鉄道設置が後世に何をもたらすか、なんて想像もできなかったでしょう。
 私も銭湯ウォークから、相棒に説明するチャンスを得るとは想像もしませんでした。
 「洗剤のいらない洗濯機が売れたら、洗剤を作る人達は仕事が減るかもしれないけど、環境汚染を減らすことはできる。 もし新宿に駅があったら、宿場町の名残りで今も北千住駅みたいに栄えただろうね」

 時代の流れで、収入源は変わっていきます。
 石炭から石油に資源がかわれば、炭鉱は閉鎖されます。
 その石油にも限りがあります。
 洗剤のいらない洗濯機を大発明としないのは、ホセ・ムヒカが語るところの、「政府と企業が本気で環境問題に取り組んでいない証拠だ」です。
 この消費経済に、コントロールされてしまっている」のです。

 「石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です」



 その質素な暮らしぶりから、「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれるウルグアイ国のホセ・ムヒカは、ある民俗の言葉を用いて演説します。

 「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

 
 先月、フジテレビ「とくダネ!」で、ホセ・ムヒカの小話が紹介されていました。
 ヒッチハイカーのある外国人が、100回以上相乗りを断られ、やっと止まってくれたのは古いフォルクスワーゲンだった。
 そこに乗っていたのは、なんとホセ・ムヒカ大統領!

 司会の小倉智昭アナウンサーが笑顔で補足していました。
「世界一貧しい大統領といわれている人だよね。この人は農業をやっていて、井戸水で暮してるんだよ」
 残念ながら、先月で大統領の任期は終了してしまいましたが、彼の残した言葉は、私たちの生活を根本から問いかけるものです。

 ↓ ホセ・ムヒカの小話の詳細はこちらでどうぞ。